挿絵画家になろう(その5)


「挿絵画家になろう(その5)」です。
Blenderのアドオン、MB-Labの啓蒙です。
前回までで、MB-Labを使って少女キャラクターを生成し、VRoidStudioの髪をインポートして装着させ、そこそこの服を着せるところまで実現しました。
今回は前回に引き続きマテリアル関連です。

人形は顔が命です。
3Dキャラクターとて例外ではありません。
3Dキャラクターのメッシュを弄って顔を弄るのは容易ではありませんが、テクスチャの加工ならばなんとかなるかも知れません。

前回は服のマテリアルに [girl1_MBLab_anime_skin] を流用しました。
しかしそもそもこのマテリアルは何なのでしょうか?
skinというくらいだからキャラクターの皮膚のマテリアルなんだろうな、と想像できます。
MB-Labのアニメ系のキャラクターを生成し、アニメ調の女性髪型[hair_anime_female]を適用した時点で、以下のマテリアルが存在することになります。

・girl1_MBLab_anime_eyes
・girl1_MBLab_anime_skin
・girl1_MBLab_generic
・girl1_MBLab_toon_black
・MBLab_anime_hair.001


それぞれの割り当てとともに見てゆきましょう。

・girl1_MBLab_anime_eyes: MB-Labキャラクターの目のマテリアル

・girl1_MBLab_anime_skin:MB-Labキャラクターの皮膚のマテリアル


・girl1_MBLab_generic: MB-Labキャラクターのパンツ、ブラジャーのマテリアル


・girl1_MBLab_toon_black: MB-Labキャラクターの眉毛、睫毛のマテリアル

・MBLab_anime_hair.001:髪の毛のマテリアル

衝撃の事実が判明してしまいました。
パンツとブラジャーは穿いていないのです。
単なるボディペイントだったのですね……。
girl1_MBLab_generic の色を変えると、パンツとブラジャーの色が変わりますし、割り当てを変えると取っ払うこともできます。

それはともかく、顔に関係するマテリアルは以下の 三つであることが分かりました。
・girl1_MBLab_anime_eyes
・girl1_MBLab_anime_skin
・girl1_MBLab_toon_black

girl1_MBLab_anime_skin はセルルックな絵作りを決める重要なマテリアルです。
主要なノードを見ていきましょう。
上にあるViewのセレクタ([Default]となっている横の[△]ボタンか[▽]ボタン)を右クリックして現れる選択肢から[Composing]を選択すると3Dビューとノードエディッタ、UV画像エディッタを表示できて便利です。

[skin_oil_val]:テカリの明るさを決めます。
[skin_oil_size]:テカリのサイズを決めます。
テカリは夏の水着の肌でよくある表現です。
カメラに直交する面の一部が明るくなります。
[skin_oil_val] を大きくするとテカリはより明るくなります。
[skin_oil_size] は0にすると最小になり1にすると全体がテカリになります。
0~0.1程度の範囲内で使うべきでしょう。

[ノーマル]:影のできる方向を決めます。
セルルックの絵作りの場合、ライトにより肌の色を決めているのではなく、放射diffuseにより自発光させてマット感を出しています。
その色分けは法線(ノーマル)とオブジェクト表面の角度により行っています。
この[ノーマル]を回転させると「 普通」・「暗いところ」の位置を変えることができます。

[skin_secondary_val]:影の部分の明るさを決めます。
0にすると影は無くなり、1にすると影は真っ黒になります。

[skin_outline_size]:輪郭線の太さを決めます。
1にすると輪郭は消えます。
小さくすると輪郭は太くなります。
0.9~1.0の間で使うべきでしょう。
[skin_outline_val]:輪郭線の明るさを決めます。
1にすると黒になります。
小さくすると色味が消えてゆきます。
柔らかい絵作りをしたければ輪郭を太くして色味を抑えると良いでしょう。

[skin_saturation]:肌の色味を決めます。
1にするとオレンジに偏向、0にすると青に偏向してゆきます。
[skin_value]:肌の明るさを決めます。
1にすると明るく、0にすると黒くなります。
[skin_hue]:肌の色相を決めます。
緑色の皮膚や青い皮膚にすることができます。
私はデフォルトから変えたことがありません。

[Anime_mblab_skin_diffuse]: girl1_MBLab_anime_skin で割り当てるテクスチャ画像です。

[Anime_mblab_skin_diffuse] にはFinalize の際に保存したファイル名の画像が設定されています。
※ここではgirl11_body_derm.png
画像は左下プレーンのUV画像エディッタ―で表示することができます。
この肌色の画像がgirl1_bodyの肌テクスチャです。
このままでは良く分からないのでUVマッピングを生成します。
右下の3Dビュープレーンで編集モードに切り替えます。
モデルの上で[a]キーを押すと全選択になります。

左下のUV画像エディッタ―の[UV]メニューから[UV配置をエクスポート]を選択し、 girl_body_derm_uv_map.png としてセーブします。

GIMP2で girl_body_derm.png と girl_body_derm_uv_map.png とをレイヤとして開きます。

後はgirl1_body_derm.pngを好きなように編集すれば好みの顔に変えることができるわけです。
頬紅、アイシャドウ、口紅などですね。

次の図はgirl1_body_derm_mod.pngとして化粧を施し、 [Anime_mblab_skin_diffuse] に再読み込みしたものです。

頬と唇が赤くなりました。
これだけでかなり印象が変わります。

しかし目を変更しているのですが反映されません。
目のマテリアルは[ girl1_MBLab_anime_eyes ]なのでそちらを変更する必要があります。

編集モードにしてgirl1_MBLab_anime_eyesを選択します。

[girl1_MBLab_anime_eyes]マテリアルの[Anime_mblab_eye_diffuse]ノードにはgirl11_body_derm.pngが割り当てられています。

これをgirl1_body_derm_mod.pngに変更します。

目のテクスチャを差し替えることができました。
[girl1_MBLab_anime_eyes]マテリアル にも色々なノードがありますが、特に重要なのは以下の二つです。

[eyes_fue]:目の色相を決定します。
[eyes_saturation]:目の色の彩度を決定します。

目の色は挿絵を欲する同胞の諸兄姉もコダワリポイントであると思います。
色々試して自分の好みに合わせてください。

残るは[girl1_MBLab_toon_black]マテリアルです。
眉毛と睫毛に割り当てられているものです。
defaultでは黒く、目がハッキリとしています。

編集モードにしてgirl1_MBLab_anime_eyesを選択します。

[girl1_MBLab_toon_black]マテリアル の[放射]ノードのカラーを変更することにより色を変えることができます。
髪の毛と似た色味にするとよいでしょう。

girl1_MBLab_toon_black のスロットに MBLab_anime_hair.001 を割り当ててしまうと、髪の毛と眉毛、睫毛を同じ色にすることもできます。

ポーズを付けてレンダリングしてみました。

如何でしょうか? かなり顔立ちの印象が変わったかと思います。

MB-Labの凄いところは、ほぼほぼ何でも弄れるのですが、優れたマテリアル構成により2Dテクスチャの変更とパラメータ変更だけでかなり思い通りの絵作りができることです。
ここまで3Dメッシュは一切弄っていないことに注目してください。
2Dテクスチャを多少弄れれば、それでかなり思い通りの絵作りをすることができるのです。
これは凄いことですよね?

今回はこれで終わりです。
時間があれば[その6]を書きたいと思います。


挿絵画家になろう(その4)


「挿絵画家になろう(その4)」です。
Blenderのアドオン、MB-Labの啓蒙です。
前回までで、MB-Labを使って少女キャラクターを生成し、簡素な服を着せ、VRoidStudioの髪をインポートして装着させるところまで実現しました。
今回はマテリアル関連です。

MB-Labはキャラクター造形に関して、相当弄れます。
MB-Labの変数パラメータの組み合わせだけでもかなりのバリエーションを生み出すことができるし、イニシャライズした後はそれこそ単なるBlenderのオブジェクトなのでメッシュを弄り放題です。
実際のところMB-Labを入口にして3Dドールアニメーションの世界に入るのは全然ありだと思います。
しかし、この世界って深くて険しいんですよね。
我々『小説家になろう』作家が自作小説の挿絵を簡単に生成したいという目的で安易に足を踏み込むと小説を書く時間は取れなくなることでしょう。

そこでできるだけメッシュを弄らず、マテリアルの変更で変化を出していくことは良い方法だと思うのです。
幸いなことにMB-Labには秀逸なマテリアルが用意されていて、デフォルトでトゥーンレンダリングが実現できています。
トゥーンレンダリング とは「普通」・「明るいところ」・「暗いところ」などの三諧調程度の色塗りと輪郭線を特徴とする絵作りの方法です。
3Dで直接アニメ調の絵作りができてしまっているのです。

今回は服のマテリアルに関して説明を試みましょう。
※過度な期待は禁物です。

先ずは服です。
前回は袖なしTシャツを着せました。
ただ、やはり薄着すぎて可哀想です。
袖なしTシャツを改造してワンピース用の素材を作成しました。
ここ』においておきます。
Onepiece_Plane.zip

このZIPファイルは以下のファイルを含みます。
・Onepiece_plane.obj
・Onepiece_plane.mtl
・Onepiece_t.png
・Onepiece_uv_map.png

Onepiece_plane.obj をインポートしてください。
※袖なしTシャツはRemove fittingした後、[delete]キーで削除しておきます。

インポートすると例の如く、girl1_bodyのキャラクターを挟み込むように二枚のplaneであるOnepiece_Planeが現れます。
中心を気にしながら大きさと位置を合わせます。

だいたいこの図のように合わせれば良いと思います。

Onepiece_Planeを右クリックして選択されていることを確認したのち、編集モードに切り替えます。

編集モードのまま、上にあるViewのセレクタ([Default]となっている横の[△]ボタンか[▽]ボタン)を右クリックして現れる選択肢から[Composing]を選択します。

上プレーンのノードエディッタ―の表示は上の図のようになっていると思います。
※もしなっていなければ、ノードに『マテリアル』、[Onepiece_Plane]を選択してください。

ノード:[Onepiece_Plane]のノードは全て不要なので削除します。
ノードの上で[a]キーを押すと全て選択できますので[delete]キーを押し、削除します。

ノードエディッタのマテリアルの選択から[girl1_MBLab_anime_skin]を選択します。
前回同様、ノード構成をコピーするためです。

ノードエディターで[a]キーを押下して全てのノードを選択後、[ctrl + c]でノードをコピーします。
そしてコピーしたノードを[Onepiece_Plane]のマテリアルノードに[ctrl + v]で貼り付けます。

ノードエディターの右下に[Anime_mblab_skin_diffuse]がありますので画像ファイルとして[Onepiece_t.png]を開きます。

レンダリングでは以下のようになります。

取り敢えずワンピースを完成させましょう。
上にあるViewのセレクタを[Default]に戻します。
そしてクロスシミュレーションに必要な頂点グループを追加します。

そしてクロスシミュレーションを実施します。
パラメータは次の図参照。

仕上がりは以下のようになります。

縫合しきれていないところが黒い筋として残りますが、気になるならばメッシュを弄って手動で縫います。
ただ、挿絵にするならばレンダリング後に2D系のペイントツールで処理したほうが圧倒的に早いです。

ここで Onepiece_t.png を思い出してください。
Onepiece_t.png は現時点ではピンク一色の1024X1024ピクセルの画像です。
なのでワンピースはピンク色になります。
Onepiece_t.png を編集することにより自由にワンピースの柄を変えることができます。
私はGIMP2を使っています。
GIMP2はフリーソフトでありながらフォトレタッチ系のソフトではphotoshopと双璧を成す凄いアプリケーションソフトです。
使われていない場合は是非インストールして試されることをお勧めします。

GIMP2でOnepiece_t.pngとOnepiece_uv_map.pngをレイヤーとして開いてください。
レイアウトはともかく画像は以下のように表示されると思います。

Onepiece_uv_map.pngで示されているのはワンピースUVマッピングです。
右側にワンピース前面のメッシュが、左側に後面のメッシュが対応します。
それぞれの位置の画像を変更すればワンピースのテクスチャも変わるわけです。
すこし弄ってみましょう。
百花繚乱』様から素材をお借りましす。

Onepiece_uv_map.png のレイヤは不可視にして Onepiece_t_mod.png としてエクスポートします。
Blenderの方では先ほどのノードエディターの右下、[Anime_mblab_skin_diffuse]で[Onepiece_t_mod.png]を開きます。

ワンピースが花柄Tシャツとピンクのスカートに変わりました。
このように一つワンピースを作っておくとテクスチャを差し替えることにより様々なバリエーションを生み出すことができます。
前回出てきた『VRoidStudio』などはコミュニティで、服のテクスチャを工夫することによりワンピースからドレス、メイド服、戦闘服などを作成していて楽しそうです。
同様のことがBlenderベースのMB-Labキャラクターに適用可能です。
ただ、2Dテクスチャの作成も、これはこれで深く険しい道なので、折り合いを付けて程々に歩まれることをお勧めします。

ポーズを付けてレンダリングしてみました。

MB-Labは トゥーンレンダリング 用の優れたマテリアルノードを用意してくれています。
ノード構成そのものはそこまで複雑ではないため、マテリアルノードの学習用の素材として非常に適切なものです。
私などはほぼdefaultでNormalの変更だけで利用させていただいています。
MB-Labの優れたところは、利用しやすいように各機能が用意されていることです。
blenderの知識は必要ですが、これだけ至れり尽くせりで応用の効くソリューション、凄いです。
これは世に広めていかなくちゃならないと、そう思うのです。

今回はこれで終わりです。
服のマテリアルの説明と言っておきながら、テクスチャ設定で終わってしまいました。
時間があれば[その5]を書きたいと思います。


黒灰色の魔女と時の魔女 第五章第三話(五)更新しています


黒灰色(こっかいしょく)の魔女と時の魔女』、『第五章第三話(五)教えてよエリフ、教えてよサリー』更新しています。
アウラも十五歳、お年頃、エリフにガールフレンドの相談をする、というお話です。
読んで下さいね。
絵は『乳母サリー』の中の人であるサリーのイメージです。
Twitterの添付画像なのですが、ちょっと時間が無くて合掌させることができませんでした。

作画していてたまに花の絵が欲しくなります。
遠景ならレンダリング後の画像にGIMPなどで加筆するのが簡単ですが、百合なら百合と分かるように描くにはそれなりの画力と時間がかかります。
そこで簡単な花ならば3Dモデリングでなんとかしようと思うのです。

とはいえ、絵を描くのが簡単か、 3Dモデリングが簡単かの天秤になります。
ですが3Dモデルの場合ガチで造形するのではなく、TIPS的なものがあるので、それに適合てきれば比較的簡単に造形できます。

今回は以前、桜の花の造形に使ったBlenderでのTIPSを紹介します。
出来上がりは以下のようなものです。

この桜の花は以下のようにして作っています。

シリンダーを変形してゆき五枚葉の若葉のようなものを作成します。
若葉の茎部分をピン止めしてクロスモデファイアーを適用するのです。
重力により葉が垂れ下がってゆきますが空気抵抗により良い感じにカーブがかかるという寸法です。
後はひっくり返して適当な変化点を選べば完成です。

リアルな桜の花とは程遠いですが、それっぽいものを簡単に作りたい場合等、利用できるのではないでしょうか?
また、角度を変えたものを重ねると多重の花弁を持つ華も実現できると思います。

是非研究してみてください。
いいのが出来たらお教えくださいね。


挿絵画家になろう(その3)


「挿絵画家になろう(その3)」です。
Blenderのアドオン、MB-Labの啓蒙です。
前回までで、MB-Labを使って少女キャラクターを生成し、簡素な服を着せ、あらかじめ用意されているポーズを切り替えるところまで実現しました。
今回は髪の毛です。

MB-Labにもアニメ調少年用、少女用の髪が一種類ずつ付属します。
それなりにクオリティが高いものですが、髪の毛はキャラクターの描き分けに必須です。
顔は同じで許すとして、髪の毛は異なるものを用意しないと人物の区別ができません。

私は髪の毛を用意するためにそれはそれはそれは色々な手法を試しました。
カーブという機能を使う方法、パーティクルを使う方法、UV球を変形させる方法、スカルプトでガチに造形する方法、その他色々……。
試しているうちに、Blenderの操作が少しずつ分かってきたのです。
費やした時間は膨大です。
その間、小説なんて全く執筆していません。
本末転倒なのです。

でもご安心ください。
この記事は『小説家になろう 』 としていて挿絵に困っている 同胞の諸兄姉に簡単に3Dキャラクターを使った挿絵を描く方法を展開することが目的です。
ソリューションがあるのです。
それは『VRoidStudio』という神アプリです。

Pixive 様に怒られそうですね。
VRoidStudioは髪型を作成するためのツールではありません。
Pixive様が開発・提供する3Dキャラクターモデル作成のための統合環境です。
寧ろMB-Labの競合ソフトです。

なにはともあれ、ゲットして試してみることをお勧めします。
本記事執筆時の最新版はVRoid Studio ベータ版 v0.7.3です。

起動するとキャラクターモデルの選択画面になります。

「あなたのモデル」として新規作成しても良いのですが、「サンプルモデル」として幾つかのサンプルモデルが選べるようになっています。
今回はSendagaya_Shinoを選びましょう。

これだけの操作で3Dキャラクター生成完了です。

質問:顔の編集できるのですか?
回答:はいできます。
質問:髪型の編集、できるのですか?
回答:はいできます。
質問:服の編集、できるのですか?
回答:いくつかの基本形があり、それぞれ変形させることができます。
   テクスチャを差し替え、印象をがらりと変えることができます。
質問:ポーズの変更とかできるのですか?
回答:いくつかのプリセットから選べます。
   VRM形式で描きだすことができるので、『3tene(ミテネ)』等の別ソフトにエキスポートすることもでき、それでポーズをつけることもできます。

質問:あれ? 挿絵のキャラクター作るのって、VroidStudioで良くね?

そのとおりです。
VRoidStudio』はバーチャルユーチューバーなどにも使える優れたソフトです。
実際にVChatやバーチャルユーチューバーに使われていて、その実用性は折り紙付き。

ではなぜVRoidStudioを使わずにMB-Labを使うのか?
MB-Labの人体メッシュへの愛、所以です。
それにVRoidStudioがいかに良いソフトであるかなんて、今更私が力説してもね……。

細かくは、VRoidStudioは顔に関してそれほど多くのバリエーションを持ちません。
メッシュが破綻するようなダイナミックな調整はできないのです。
恐らくはVRoidStudioの範囲内で留まる限り、defaultの表情からそれほど離れることはできないでしょう。
カスタムキャスト で作ったモデルが、カスタムキャストで作ったと判るように、VRoidStudioで作ったモデルも同様のことが言えそうです。
とはいえ、BlenderもVRM形式のデータを読み込む方法が無いわけではなく、一旦読み込んでしまえばあとはどうとでも編集できてしまいます。
ただBlenderとの親和性とメッシュの弄りやすさには差がでるかと……。

もう一つ、服に画像テクスチャを張り付ける仕様です。
服の造形にはそれほど自由度がありません。
VRoidStudioのコミニュティでは服用のテクスチャの開発が盛んですが、テクスチャ作成は職人芸の世界だったりします。
3Dメッシュを弄るのとどちらがより楽かという天秤になります。
私はそれっぽい2Dテクスチャを作るスキルを今に至って培うことができていません。
正直この辺は得手不得手なのでしょうね。

とりあえず髪の話に戻します。
VRoidStudioでは髪を比較的簡単に編集できます。
なおかつ髪をOBJ形式でエクスポートすることができます。

Sendagaya_Shino のdefaultの髪の毛をOBJ形式でエクスポートしてみましょう。
上段二行目のタブから『撮影・エクスポート』を選択し、左側メニューの『エクスポート』を選択します。
すると右側に『髪をOBJ形式でエクスポート(四角形メッシュ)』が選択できるようになります。

「Sendagaya_Shino_Hair.obj」というファイル名で保存してください。
次に前回MB-Labで作成したBlenderのプロジェクトにインポートします。
先ずはdefaultの髪を外します。
キャラクターの両足の間ににある横倒しになった四角錐を右クリックします。
そしてオブジェクトモードに切り替えます。

ツールシェルフの[ManuelBastioneLab]タグ、[PROXY FITTING]から[キャラクター:]をgirl1_bodyに、[プロキシ:]をhair01_anime_femaleを選択し、[Remove fitting]ボタンを左クリックします。

次に Sendagaya_Shino_Hair.obj をインポートします。

Sendagaya_Shino_Hairがdefaultの髪と重なって出現します。
オレンジ色に縁どりされ、選択された状態になっていると思いますが、選択されていなければ右クリックで選択してください。
Sendagaya_Shino_Hair の位置合わせを行います。
defaultの髪とほぼ同じ位置に重なるようにすればOKです。

Sendagaya_Shino_Hair を上への拡大([s]キーに続き[z]キー、後は[↑]キーで調整し[enter]キーで確定)、左右への拡大 ([s]キーに続き[x]キー、後は[←]キーで調整し[enter]キーで確定)、前後への移動 (テンキーの[3]キーを押して横にして、[g]キーに続き[y]キー、後は[←]キーで調整し[enter]キーで確定)等で調整します。

できましたらテンキーの[1]キーを押して正面を向かせ、PROXYシステムで装着します。
ツールシェルフの[ManuelBastioneLab]タグ、[PROXY FITTING]から[キャラクター:]をgirl1_bodyに、[プロキシ:]をSendagaya_Shino_Hairを選択し、[Fit Proxy]ボタンを左クリックします。

おお! 髪よ! フィットしました。
しかも輝くばかりの銀髪。
VRoidStudioとMB-Labとのキャラクター造形の違いにより前髪が眉上になってしまっていますが、これはこれでいいではないでしょうか?
気になる方は、髪を上下に拡大してから位置合わせをすると好みに合わせることができます。

髪の毛が銀色なのは袖なしTシャツ同様、マテリアルを設定していないからです。
Sendagaya_Shino_Hairオブジェクトにdefaultの髪のマテリアルを設定してみましょう。
オブジェクトモードになっていることを確認してから、Sendagaya_Shino_Hairを右クリックして選択します。
プロパティウインドウのマテリアル(赤と白の十字の円のマーク)を選択します

Sendagaya_Shino_Hairの項目の下、空の長方形の右の[+]ボタンを押して新しいマテリアルスロットを追加します。

新しいマテリアルスロットが現れるので[新規]となっているマテリアルのセレクターボタン([△]ボタンもしくは[▽]ボタン)を押して既存のマテリアルリストを表示させます。

MBLab_anime_hair_001を選択してください。

艶のある青髪になりました。
defaultの髪は不要になりますので削除します。
オブジェクトモードになっていることを確かめて、hair01_anime_femaleオブジェクトを右クリックして選択し、[delete]キーを押下します。

OK? と聞いてくるので[削除 X]ボタンを左クリックすると削除できます。
ついでに袖なしTシャツのマテリアルを設定します。
オブジェクトモードになっていることを確認し、上にあるViewのセレクタ([Default]となっている横の[△]ボタンか[▽]ボタン)を右クリックして現れる選択肢から[Composing]を選択します。

下にある3Dビューエディッタウインドウでgirl1_bodyオブジェクト(キャラクターの手とか足)を右クリックして選択します。
その後上にあるノードエディッタウインドウの下でマテリアルを選択します。
ノードエディッタにgirl1_MBLab_anime_skinが表示されます。
表示されない場合はズーム等で調整してください。

ノードエディッタウインドウの左上にマウスカーソルをあてて右ボタンを押したまま左下に動かすと矩形選択となりノード全てを選択することができます。

[ctrl]キーを押しながら[c]キーを押してコピーします。
次に3DビューエディッタウインドウTank_Top_Planeオブジェクトを右クリックして選択します。
ノードエディッタウインドウのマテリアルには何も設定されていない状態です。

マテリアル選択の[新規]のボタンを左クリックすると新しいマテリアルが生成されます。
二つのノードが現れるのですが、これを[delete]キーで消します。
そしてノードエディッタウインドウにマウスカーソルを合わせて[ctrl]キーを押しながら[v]キーを押して、ノードをペーストします。
これで girl1_MBLab_anime_skinのノードがコピーされました。
ここで[Anime_mblab_skin_diffuse]を[RGB]に差し替えます。
ノードエディッタウインドウ上で[Anime_mblab_skin_diffuse] 付近をズームアップします。
[shift]キーを押しながら[a]キーを押すと[追加]メニューで出てくるので[入力] → [RGB]を辿り、選択します。

[RGB]ノードが現れるので出力[カラー]を繋ぎ変えます。
カラーサークルから適当な色を選択すると袖なしTシャツの色が自由に変えられます。

同様にオブジェクトウインドウでSendagaya_Shino_Hairオブジェクトを選択し、ノードエディットウインドウ上の[RGB]のカラーサークルを変えると、髪の色を任意に変えることができます。

どうでしょうか?
メチャクチャ簡単だと思いませんか?
ここまで3D的な編集は殆どやっていません。
Blender、MB-Lab、VRoidStudioといった優れたソフトウェアを組み合わせることにより比較的自由に3Dキャラクターを生成できてしまいました。
これは凄いことなのです。

MB-LABの人体メッシュは秀逸です。
こんなにもクオリティの高いメッシュを使えるとは感謝しかありません。
VRoidStudioの髪型編集・作成機能を加えると強力この上ないソリューションとなります。
説明していませんが、設定されているマテリアルも良く考えられた応用の効くものです。
興味がおありでしたらノード構成を覗いて見られることをお勧めします。

今回はこれで終わりです。
絵は完成していませんが、時間があれば[その4]を書きたいと思います。


挿絵画家になろう(その2)


「挿絵画家になろう(その2)」です。
MB-Labの啓蒙です。
前回の扉絵は拙かったですかね?
学校や会社で開いて、後ろに誰か居たら慌てるレベル。
少し反省しています。
服が無いのが問題なんですよね。
正直3Dキャラクターモデルの世界では服と髪を用意することがそれなりに困難です。

というか趣味の世界になりますよね。
ドレスとかの3Dモデルを精密に作っている方もいらっしゃって、凄いなと。
髪はね、今はなんとかなるんですよ。
凄いツールがあります。
問題は服です。
私も服に関しては毎回四苦八苦して作っています。
何か良いソリューションがあれば教えて頂きたいものです。
とは言え、前回作ったキャラクター、裸のままでは可哀想です。
せめてシャツを着せることにしましょう。

以下のYoutube動画を参考にさせていただきます。

【blender】平面メッシュから簡単に服を作る方法

この動画に従い、袖なしTシャツを作成します。
説明用に素材を作成しました。
ここに置いておきます。

tank_top_material.zip

このZIPファイルを解凍するとtank_top_material.objという3D waveファイルになります。
これを前回作成したgirl11_after_finalize.blendのプロジェクトにインポートします。

以下のように二つの板がキャラクターを挟み込むよう現れます。

図のような位置になるように位置合わせしてください。
位置合わせはオブジェクトモードであることを確認し、オブジェクトを右クリックで選択してから以下の操作を行います。
いずれも 確定は[enter]キー、キャンセルは[esc]キー です。

上下に移動させる場合:
・テンキーの[1]キーを押して正面を向かせる
・[g]キーを押してから[z]キーを押し、上下キーで調節する。

左右に移動させる場合:
・テンキーの[1]キーを押して正面を向かせる
・[g]キーを押してから[x]キーを押し、左右キーで調節する。

前後に移動させる場合:
・テンキーの[3]キーを押して横を向かせる
・[g]キーを押してから[y]キーを押し、左右キーで調節する。

上下に拡大させる場合:
・テンキーの[1]キーを押して正面を向かせる
・カーソルをオブジェクトに重ねる
・[s]キーを押してから[z]キーを押し、上下キーで調節する。
 ・拡大後は位置がずれるので上下に位置合わせする

左右に拡大させる場合:
・テンキーの[1]キーを押して正面を向かせる
・カーソルをオブジェクトの左右どちらかに振る
・[s]キーを押してから[x]キーを押し、左右キーで調節する

調節はだいたいで問題ありません。
というか、正解はありません。

できましたら服に頂点グループを割り当てます。
3D waveデータには頂点グループが含まれていないので設定が必要です。
オブジェクトモードになっているのを確認してから服オブジェクトを右クリックで選択します。
モードを切り替えて編集モードにします。
服の上にカーソルを当て、何度か[a]キーを押下して全ての頂点が黄色く選択されている状態にします。
頂点グループの設定は プロパティウインドウのオブジェクトデータ(逆三角形のマーク)から行います。
頂点グループに何も無い状態だと思われますので、右側にある[+]ボタンを左クリックし、[Group]が現れるのを確認してから[割り当て]ボタンを左クリックし確定させます。

次にキャラクター側にコリジョンモデファイアーを付与します。
オブジェクトモードであることを確認し、キャラクターの顔あたりを右クリックするとキャラクターがオレンジに縁どられます。
プロパティウインドウのオブジェクトモデファイアー(スパナのマーク)を選択、追加からコリジョンを選択します。

コリジョンを追加できたらコリジョンの設定を行います。
コリジョンの設定はプロパティウインドウの物理演算の項目(ボールの跳ねているマーク)で行います。
[ソフトボディとクロス]の[外側:]と[内側:]をそれぞれ最小値の0.0001にします。

次に服にクロスモデファイアーを付与します。
オブジェクトモードであることを確認し、Tank_Top_Planeオブジェクトを右クリックし選択します。
プロパティウインドウのオブジェクトモデファイアーを選択、追加からクロスを選択します。

クロスの設定は プロパティウインドウの物理演算の項目で行います。
設定項目が比較的多いので注意してください。
以下は一例です。
意図に合わせて色々調整できます。

[クロス]
・[プリセット]をCottonにするとパラメータが色々変わります。
・[ステップ数:]を11くらいにします。
 大きな値にすると品質があがりますが時間がかかります。
・[マテリアル:重さ:]を5以上にします。
 軽いとめくれ上がり、重いとだらんと垂れ下がります。
・[減衰:速度:]0.1にします。
 遅い方が品質が上がりますが時間がかかります。
 ある程度遅くないと変形に失敗します。
[クロスコリジョン]
・[品質:]2にします。
・[距離:]0.010くらい?
 服と体の距離ですが、広いと角度によっては体が見えてしまいます。
 逆に狭いとポーズ次第で地肌が見えてしまいます。
[クロス縫合スプリング]
・[縫合の力:]50.0000くらい。
 適当に増減させてください。
 今回のように二枚のplaneを縫合するだけならば強さだけに着目すれば問題ありません。
 複数のパーツを縫合する場合は縫合される順番等に気を付ける必要があるため、強さと距離を検討する必要が出てきます。
・[収縮:]頂点グループを選択します。
 これが設定されていないと縫合されません。

設定は以下を参考にしてください。

ここまで設定し、[アニメーションの再生]ボタン(一番下にある右向きの三角形のアイコン)を左クリックすると物理演算シミュレーションが実行されます。
一度実行すれば、タイムラインのバーで任意の変化点を選択できます。

好みの変化点を選択し、クロスモディファイア―を適用します。
プロパティウインドウのオブジェクトモデファイアーを選択、[Cloth]にある[適用]ボタンを押します。

これで一応袖なしTシャツ( Tank_Top_Plane )の完成です。
girl1_bodyにTank_Top_Planeを着せます。
オブジェクトモードであることを確認し、girl1_bodyを右クリックで選択します。
ツールシェルフに[ManuelBastioniLab]のタグが現れるので選択します。
[PROXY FITTING]で[キャラクター:]にgirl1_bodyを[プロキシ:]にTank_Top_Planeを設定します。
後は[Fit Proxy]ボタンを押せばフィッティングされるはずなのですが、このままではうまくいきません。
Tシャツが小さく股間に埋まってしまいます。

理由はこのキャラクターがdefaultのキャラクターを縮小したものであるからだと思われます。
Proxyシステムはdefaultの体形に合わせた服や髪を、ターゲットのキャラクターに合わせて変形させるものです。
もとから変形後のキャラクターに合った服や髪は、更に変形が強調されてしまいます。
つまり小さい服は更に小さくなってしまいます。
であれば、defaultのキャラクターで服を作成すれば良いのか?
これはある意味正しいのですが、元のキャラクターは八頭身小顔で手足が長く、しかもかなりグラマーなのです。
それに合わせて服を作ると胸が余る等の弊害が出てきます。

対策方針としては以下。
①目的のキャラクター向けに服や髪を作成
②defaultのキャラクターに合わせて拡大
③Proxyシステムを適用

先ず[Remove Fitting]でProxyの適用を解除します。
そしてTank_Top_Planeを上方向、左右方向、前後方向にそれぞれ拡大します。
方向ごとに微調整をかける方がよいでしょう。
もともとこのキャラクターにフィットするように作った服なので、[影響:]は0にして構いません。
下に例示するくらい拡大するとフィットします。

以下のように綺麗にフィットしました。

ポーズを変えます。
先ずオブジェクトモードであることを確認し、girl1_bodeyを右クリックで選択するとモードをポーズモードに変えることができるようになります。
ポーズモードに切り替えた後、ツールシェルフの[ManuelBastioniLAB]の[POSE AND ANIMATION]でポーズを選択します。
[Female]のポーズを任意に選んでください。

袖なしTシャツが綺麗にキャラクターに追随しています。
どのポーズでも袖なしTシャツ自体には破綻は見られません。
Proxyシステム、素晴らしいですよね。

今回は簡単な形状のPlane二枚から袖なしTシャツを作っていますが、袖を付ければ普通のTシャツに、裾を伸ばせばワンピースになります。
襟や前袷を別パーツで付けることもそんなに難しい話ではないので、最低限のメッシュ操作ができれば色々な服を作ることが可能です。

この服の作り方の良い点は、一度作ると変形前の素材は別のキャラクター用に流用できることです。

ポーズと表情を付けてみました。

どうでしょう?
MB-Labの可能性みたいなものを感じていただけたでしょうか?
思ったより簡単にアニメ調のキャラクターを生成、編集できるのです。
これは十分趣味にできると思いませんか?

今回はこれで終わりです。
絵は完成していませんが、時間があれば[その3]を書きたいと思います。